不妊治療(顕微授精)がお金かかりすぎて、もはや暴力的な件

こんにちは、ハタラクオンナです!

今回は、「不妊治療(顕微授精)がお金かかりすぎて、もはや暴力的な件」と言うテーマでお送りしたいと思います。

不妊治療に至った経緯

本格的な抗がん剤治療前の妊よう性温存

私が不妊治療をするきっかけとなったのは、夫のガン治療に伴う抗がん剤治療前の妊よう性温存でした。

夫がガンになる前まで、子どもに関しては自然に任せよう〜とのんびり構えていましたが、夫のガンが発覚してからというもの、「妻である私の年齢」「抗がん剤に伴う妊よう性」「夫のガンはいつ寛解するかわからない」など色んな事を交差して考えた結果、もう自然妊娠は無理であることに気づいたのでした。

その結果、本格的な抗がん剤治療の前に精子を凍結し、本格的な不妊治療に入りました。私たちの場合は精子の数が比較的少なかったのでステップアップとか一切なしの、ハナから顕微授精で始めました。

不妊治療は何が負担か

お金(とにかく治療代がバカ高い!!)

不妊治療はとにかくお金が掛かります。

ほとんどの治療が保険適用外だからです。

特に顕微授精の場合など、高度生殖医療(ART)となればなるほどその度合いが顕著です。

採卵前の卵を育てる注射は保険が効かないので平気で1回1万円を超えてきます。

1年間の精子凍結で約5〜6万、採卵前の毎日の注射で1回約1万以上がが約12日間ボディーブローのように続き、果ては採卵で1回約35万くらい吹っ飛びます。さらに胚移植で約10万。とどめじゃ〜!って感じです。

もはやこれは暴力的な感さえありました。

不妊クリニックの会計の人はとても申し訳なさそうに、治療の額を計算機に打って提示してくれるんです。10万とか超えてくると決してその額を声に出して言いません。大体は額を計算機に打って「ごめんね、こんな高くて」みたいな顔して提示してきてくれます。その額を声に出して言うと周りで会計待っている患者さん達も震え上がるような額だから…(まぁ、みんなだいたい分かっているんだけれど、なんかね…)。

暴力的なのは…「不妊治療高すぎる問題に無関心な日本政府」でしょうか…確かに、不妊治療助成金が自治体によってあるのですが、それも焼け石に水状態なんです。

時間(仕事との兼ね合い)

不妊治療をするのにはお金の他に、時間も要します。

だから、フルタイムで働いている人、特に時間で拘束される接客業などの人は治療の時間を都合をつけるのに大変苦労します。

私もフルタイムで働いてはいますが、幸いにも始業時間が遅めだったのと、比較的職場の近くにクリニックがあったので、いつも早めの診察時間をとって診察してもらったり、注射をしてもらったりしていました。で、その用事が済んだら何でもない顔して出社です。

でも、もしも職場とクリニックが離れていたり、自宅がすごく遠かったり、仕事の拘束時間が診察時間と丸かぶりだったら、治療をしたくてもできないですよね。

有給があると言っても限界があります。なかなか職場の上司に不妊治療を受けている事は言いにくい(極めてプライベートな話ですし、うまくいかなかった場合に変に同情されるのも嫌ですよね)ですし、お休みを頂くための理由を考えるのも一苦労です。

さらに不妊治療は「◯日の◯時に注射に来てください」と時間指定で急に言われることも結構あるので、スケジュール調整に予断を許しません。

精神的肉体的苦痛(検診台で丸出し、毎日注射)

不妊治療でもうひとつ欠かせないもの、それが「検診台」です。

えーと、成人の女性であれば多くの方が一度は健康診断などで経験したことのあるであろう、あれです。

下半身(局部)を一糸纏わぬ状態にし、検診台の椅子に座り、看護師さんがボタンを押すと自動的に椅子が上がると同時に股が開かれます。

腹から下はカーテンで仕切られ、検診してくれる医師とは目が合わないようになっているのですが、カーテンの向こうは言うなれば下半身丸出しです。男性医師だったりするとその可処分精神のすり減りようは半端ないです。

診察に挑むとき何度も意識を無にして仏の世界でいう、心を空の状態にしようと試みたのですが…最後の最後までそう成る事はありませんでした。(常に緊張していた…)

採卵前の毎日の注射も足繁くクリニックに通う必要があり(自己注射できる医院もあるそうです!)、不妊治療の負担の大半は女性に掛かりますので、覚悟が必要です。

そして胚移植を終え、妊娠判定!結果は…「陰性(妊娠していない)」だったりしたら、「こんなに頑張ったのに…」と無限ループに放り込まれたような感覚に陥ります。

不妊治療の一区切り終えて実感した事

私は先日妊娠判定を終え、陰性でした。落胆。ま、これも運命だったかなー。と言う感じですが、不妊治療の一区切りを終えて感じる率直な意見を書いてみたいと思います。

不妊治療が保険適用にならないっておかしくね?

不妊治療をするのは自由で、不妊は病気ではないという理屈なのかもしれません。しかし、様々な事情や身体的な問題を抱えて「子どもを持ちたいけれど自然妊娠では難しい」と言いつつ不妊治療を受ける人達にとって日本の制度は本当に冷たいです。

一方で、ギャンブル依存の治療は保険適用が検討されています。

厚生労働省は(中略)、ギャンブル依存症の治療を公的医療保険の適用対象とする方向で検討に入った。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致が今後各地で進むため依存症対策を強化したい考え。

引用:東京新聞 2019年11月21日 朝刊

その背景はIR誘致に伴う対策など、様々な思惑があるのは透けて見えるのですが、これだけ少子化が叫ばれる昨今で、不妊治療が保険適用になるか否かが俎上にすら上がらないのは一体何なのでしょうか…

不妊治療が保険適用になれば少子化は多少改善されるのではないでしょうか。

ちなみに、上記のようなことを割とマジで考えた私は、「不妊治療を保険適用にするよう議会から関係各所に働きかけて欲しい」と言った趣旨の陳情を自分の住んでいる自治体に提出しました。

助成金は焼け石に水

もちろん、現行制度であっても自治体によって助成金はあることはあります。しかしながら、それも焼け石に水くらいの額です。

さらに、助成金を受けるには「法律婚をしている事」「前年度の所得が夫婦合算で730万円以下である事」など様々な条件があります。

事実婚などの人たちはこの助成金の制度をそもそも使えない仕組みになっています。

法律婚をした、伝統的な形を成した夫婦でなければ助成しないよってことなんですかね。ここにも古臭い日本社会の考え方が垣間見えます。

「政治は男性の問題にならないと動かない」

不妊治療が保険適用にならないのは、やはり妊娠出産が「女性の問題」と捉えられているからと考えられます。(後述しますが、不妊の原因は女性だけでなく男性の場合もあります)

不妊治療ではありませんが、ここに興味深い記事があります。

男性対象の勃起薬バイアグラが半年で認可されたのに、女性が主体的に避妊できる低容量ピル(経口避妊薬)の認可は34年かかったというのです。(参考:バイアグラは半年で認可、ピルは34年の不条理

「なぜバイアグラは半年で認可なのか」という女性議員たちの怒りの声で、ようやくピルも認可となったのだ。

望まない妊娠で大きく傷ついたり、人生狂ったりするのは大半が女性なのに、女性が主体的に避妊できる低容量ピルは34年に渡って認可されなかった。こう言ったところにも男性中心の考え方が政治に反映されているのが垣間見えますね。

要するに、悲しいことに男性中心の日本の政治は、それくらい「男性の問題にならないと動かない」ってことなんです。もっと私たちオンナが声を上げなければいけないのです。

不妊治療は女性だけの問題ではない

ただ、もう以前よりは一般的な話かも知れませんが、不妊の原因ってその半分は男性に起因するものなのです。

笑い話のようですが、夫婦がなかなか子どもを授からず、妻だけ婦人科でいろいろ調べてもらっていたにも関わらず原因が分からない状態で数年経過、やっと夫を説得して検査してもらったところ、夫に原因があったことが判明!というケースもあるわけです。

これ、すごい勿体ないですよね。夫婦揃って初診を受ければ、早々に夫に原因があることがわかり、それなりの対応ができ、早く判明した期間分、妻も若いわけです(女性の年齢は妊娠するために重要な要素です)。

でもこうした認識はまだまだ薄いのかも知れません。

やっぱり声を上げるしかない

不妊治療や妊娠出産は、女性だけでなく、男性も関係する、社会全体の問題です。しかしこう言った問題の矢面に立つのは大体女性。

総額60万円近い不妊治療の領収書をみて、私は少しでもいいから声を上げよう、と心にちかったのでした。